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不動産会社に売却を依頼する際の「媒介契約」とは?

不動産会社に売却を依頼する際の「媒介契約」とは?

不動産売却を行う際、個人で全ての手続きをするのは大変ですし、もしトラブルが起こった時は、対処するために余計な労力を使うことになってしまいます。そこで不動産の売却をする時には不動産会社に仲介を依頼し、買主を探してもらう事になります。その際に売主と不動産会社との間で結ぶ契約が「媒介契約」です。

媒介契約には3つの種類があります。

一般媒介

専任媒介

専属専任媒介

どの媒介契約を結ぶかは自由に決める事ができますので、自分に最適な媒介契約はどれかを判断できれば、よりスムーズな売却に繋がります。

●媒介契約とは

媒介契約とは、不動産の売買を依頼する不動産会社との間で取り決める約束事のことです。

なぜ媒介契約が必要かというと、依頼者と不動産会社の間の依頼関係を明確にし、仲介業務に関するトラブルを未然に防ぐためです。仲介の依頼を受けた不動産会社には、媒介契約の締結が宅地建物取引業法第34条の2に義務づけられています。

媒介契約には、

一般媒介

専任媒介

専属専任媒介

の3種類があります。

具体的な違いは下の図の通りです。契約内容は少しずつ異なっています。

次は、媒介契約書の中身について解説します。

●契約内容

多くの不動産会社は国土交通省が定めた標準媒介契約約款(以下、約款)を雛形に媒介契約書を作成していますので、契約の内容は主に下記の6点になっています。

(1)媒介契約の種類

専属専任媒介・専任媒介・一般媒介の3種類のうち、どの媒介契約で契約するのかを記載します。

(2)指定流通機構への登録に関すること

「指定流通機構(レインズ)」という不動産会社のネットワークに物件情報を登録するか否かが記載されています。指定流通機構(レインズ)に登録することにより、すべての不動産会社の顧客に幅広く情報を知らせることができます。登録するか否かは、媒介契約の種類によって異なります。専属専任媒介・専任媒介は登録の義務があり、登録までの日数も決められています。一般媒介契約にはレインズへの登録義務はありません。

(3)売主への業務報告に関すること

不動産会社が、売主に対して一定の頻度で文書または電子メールによる報告(宅建業法では口頭でも可能)が義務付けられていることが記載されています。この報告の頻度は媒介契約の種類によって異なります。

(4)契約の有効期間

契約の有効期間は、3ヶ月以内と定められ期間が記載されます。

有効期限が過ぎる場合には売主からの申し出があれば更新が可能です。

(5)報酬に関すること

不動産会社への報酬である仲介手数料に関することが記載されています。

◆支払いの時期

通常は売買契約が成立した時に半額、残代金決済時に半額としている不動産会社が多いです。状況により残代金決済時に全額となる場合もあり、不動産会社との相談で決まります。

◆報酬額

どの媒介契約を選んでも報酬額に変わりはありません。

【計算式】(売買価格の3%+6万円)×消費税  ※売買価格が400万円を超える場合

(6)違約金や費用償還の請求に関すること

売主が媒介契約に違反して売買契約を締結した場合は、不動産会社が仲介手数料に相当する違約金の支払いを請求できることが記載されています。

◆具体的例

・専属専任または専任で媒介契約をした会社以外の不動産会社に売却を依頼して売買契約を成立させた場合

・専属専任で契約したが、売主が自分で発見した買主と売買契約を締結した場合

等があります。

以上の6点が媒介契約の主な内容です。

ここからは、3つの媒介契約の特徴について説明していきます。

●専属専任媒介契約

専属専任媒介契約は、売却を依頼するにあたり契約した1社のみにしか依頼できません。

また、自分で見つけてきた買主との契約も禁止されています。不動産会社は契約を締結した日から5日以内にレインズに登録すること、1週間に1回以上販売状況を報告することが義務づけられています。3つの媒介契約の中で一番制約のある専属専任媒介契約ですが、

信頼できる1社とのみ契約を結ぶ専属専任媒介は、他の不動産会社で売買契約が決まることがないため、物件売却のための積極的な販売活動をしてもらえるでしょう。そのため、買主が見つかりやすくスムーズに売却が成功しやすいのが専属専任媒介契約です。その上、不動産会社とのやり取りも1社のみのため、状況が把握しやすく、一般媒介契約よりも手間が少なく対応が楽になるでしょう。ただし、不動産会社1社の販売力頼りになりますので、不動産会社選びは慎重に行う必要があります。

●専任媒介契約

専任媒介契約は、専属専任媒介と同じく契約を結べる不動産会社は1社のみです。ですが、自分で買主を探すことができる直接取引は認められています。また、不動産会社は媒介契約締結後から7日以内に指定流通機構(レインズ)への登録が義務付けられ、依頼主への状況報告は2週間に1回と決められています。

●一般媒介契約

一般媒介契約の大きな特徴は、複数の不動産会社に売却依頼することができることです。そのため、同時に何社とも媒介契約を結べます。また、自分で買主を探してもよい自己発見取引も認められています。3つの媒介契約の中では、最も自由度の高い契約形態です。

その一方で、不動産会社からの販売報告の義務がないため状況が把握できない場合もあり、指定流通機構(レインズ)への登録義務もないために情報を広く流通させることが難しくなります。一般媒介契約は、複数の不動産会社と契約を結べる特徴から、広く・多く声がかけられるため、早く売れるのでは?と思われるかもしれませんが、不動産会社としては販売活動を行っても他社で売却が決まってしまった場合、報酬を得ることができないため、販売活動に消極的な場合が多く見受けられます。また一般媒介契約は複数の不動産会社と毎回やり取りをする必要がありますので、売主様の労力も必要になります。

さらに、一般媒介契約には「明示型」と「非明示型」の2種類があります。

「明示型」とは他に依頼している不動産会社を公開する形式で「非明示型」は非公開となります。「非明示型」の場合、不動産会社は、他に何社いるのか、どの会社がライバルなのか全くわからない状態で営業戦略が立てにくいため、積極的な営業活動を行ってもらえない可能性があります。情報をオープンに「明示型」にした方が不動産会社からの信頼度も上がるうえ、やり取りがスムーズです。そのため、よほど情報を明らかにしたくない事情がない限りは、「明示型」で契約することをおすすめします。

一般媒介契約のメリットは内密に売却したい場合です。一般媒介契約は、レインズ登録の義務がありません。通常、レインズに登録することにより、全国の不動産会社に物件情報を広めることができるので、早期に売却を希望される場合にはおすすめですが、事情により、近所や親戚等の周りに知られずに売却したいという方は、一般媒介契約でレインズの登録を行わなければ、物件情報を公にせず販売活動を行うことができ、媒介契約時に登録するか否かを選択できます。また一般媒介契約で1社のみに依頼する事も可能です。

以上が媒介契約の説明となります。契約内容はお客様の売却事情によって変わります。どの契約が最適な方法かアドバイスさせていただきますので、当社までお気軽にご相談ください。

お問い合わせ|株式会社高槻天神不動産 (taka-ten.com)

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